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ホームジムについて

六畳間で作る本格フリーウェイトホームジム

【パワーリフターにも人気、省スペースタイプの本格ホームジム】

ホームジムというと欧米ではガレージや地下室のようなある程度広い空間を利用したものが多く見受けられます、しかし欧米と比べて住宅事情の厳しい日本では広いガレージや地下室のある家は珍しいのではないでしょうか。
そんな中、最近国内で急激に増えてきていると感じるのが四畳半~八畳程度の部屋を改造した省スペースタイプのホームジムです。
自宅の一室にジムを作るとなるとスペースや床の強度に不安を感じる方もいるかもしれませんが、スペース効率の良い器具を設置し床を適切に補強すれば自宅の一室を改造したホームジムでも本格的なフリーウェイトトレーニングを行う事は十分可能です。
実際私(店長神野)は2011年12月から2017年3月までの5年3ヶ月に渡り自宅六畳間を改造したホームジムで練習を行い、その期間にパワーリフティングのアジア大会や世界大会にも出場しました。
本ページでは自宅で本格的なフリーウェイトトレーニングを行えるホームジムを作る方法について書いていきたいと思います。


【トレーニング器具の選択】

ホームジムを作る前に、まずはトレーニング器具を選びます。
フリーウェイトトレーニングを行うにはまず基本的な構成としてラック、バーベル、プレート、ベンチが必要で、それぞれに下記のような種類があります。
本格的なトレーニング器具は一度購入すると数十年使用できます、予算や目的に合わせて最適な物を選択する事が重要となります。

ラック

ラックは一般的に
・ハーフラック 
・スクワットスタンド
・パワーラック 
・コンボラック 
以上の4種類から選択する事となります、ラックについての詳細はハーフラック、スクワットスタンド、パワーラック、コンボラック、それぞれのメリットとデメリットページをご参照下さい。


バーベル

バーベルにはオリンピックシャフトとスタンダードシャフトがあり、それぞれ下記のような特徴があります。

・オリンピックシャフト 
スリーブ経50mm
ベアリングを内蔵し手首の負担が少ない
競技用のプレートを装着可能
高価

・スタンダードシャフト
スリーブ経28mm
ベアリングを内蔵しておらず手首の負担が大きい
競技用のプレートは装着不可
安価

オリンピックシャフトには用途や素材、表面処理といった違いにより非常に多くの種類があり、目的に応じた物を選択する事が重要になります。
オリンピックシャフトについての詳細はオリンピックシャフトの基礎知識をご参照下さい。


プレート

プレートにもやはり用途の違いにより下記のような種類があります。

・スチールプレート 
非競技用の金属製プレート、ある程度重量誤差があるが安価で持ちやすいタイプが多い

・パワーリフティング競技用プレート 
競技練習を想定して作られたスチールプレート、持ちにくいが高精度薄型でパワーリフティングの競技練習に最適

・コーティングプレート 
非競技用のラバープレート、ある程度の重量誤差があり静音性や耐衝撃性も低いが取っ手のついた持ちやすいタイプが多い

・バンパープレート 
競技練習を想定して作られたラバープレート、重量精度が高く静音性や耐衝撃性が高い

プレートもやはり目的に応じて選択する事が重要になります。
プレートについての詳細はプレートの基礎知識をご参照下さい。


ベンチ

トレーニングベンチには下記のような種類があります。

・フラットベンチ
角度調整の出来ないタイプのベンチ

・アジャスタブルベンチ
角度調整可能なタイプのベンチ

フラットベンチは角度調整ができないかわりに、安価で軽量な物が多く、ベンチプレスでの使用に特化したタイプや立てての収納が可能なタイプも選択可能です。
アジャスタブルベンチは角度調整機構を内蔵しているため高価で重い物が多いですが、背もたれに角度を付けた状態や直立させた状態での種目も行え、トレーニングのバリエーションを増やす事ができます。


【ジムを作る部屋に必要な広さ】

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上の写真のROGUEハーフラックとフラットベンチを六畳と四畳半の部屋に設置した場合、下図のようなサイズ感となります。

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六畳間以上のスペースがあれば器具の周りのスペースにも余裕があり理想的です。
四畳半のスペースで本格的なホームジムを作るのも不可能ではありませんが、かなり窮屈で特にプレートの付替え時は壁を傷つけないよう気を使う必要があります。
四畳半の部屋にホームジムを作る際は、コンパクトなラックとショートタイプのバーベルを選択するといった工夫が必要でしょう。
ホームジムに必要なスペースはラックのサイズの影響が大きく、スペース効率の良いハーフラックやスクワットスタンドであれば六畳間で余裕がありますが、大型のパワーラックでは六畳間への設置が難しいケースも考えられます。


【床の強度、補強方法】

床の強度については耐荷重量を調べた上でコンパネ等を敷くといった処置が必要になってきます、床の耐荷重量は木造か鉄筋コンクリート造かで大きく変わってきますが、鉄筋コンクリート造の建物であれば耐荷重量的に問題が出る可能性は低くなります。
(床の強度については必ず器具設置前に不動産業者に問い合わせ問題ないか確認した上で自己責任で器具を設置して下さい)
床の耐荷重量に問題がなければ、下記の直床と二重床の違いを理解した上で、コンパネやクッション材で床を補強しトレーニング器具を設置します。

※直床と二重床
鉄筋コンクリート造の建物であっても、直床と呼ばれるコンクリートに直接フローリングを貼ったタイプと、二重床と呼ばれるコンクリートと床の間に空間のあるタイプがあります。
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直床の場合、上にある程度の重量物を置いても基本的に問題は出ないと思われますが、二重床の場合コンクリートスラブの耐荷重量とは別に上げ床部分の耐荷重量があり、器具の設置によりフローリング材が歪んだり沈み込む事がありますのでご注意下さい。

※床の補強
床にラックを直接置いてしまうと、振動や騒音、床の一部に負荷が集中する事によるフローリング材や床へのダメージといった問題が出てきます。
そこで、床とラックの間にクッション材や合板を敷くことにより、負荷を分散させ振動や騒音を緩和します。

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このようにクッション材・コンパネ・ラバーマットを重ねて敷く事により騒音や振動、床へのダメージを軽減する事ができます。
尚、一番上のラバーマットをパンチカーペットに変えるとパワーリフティングの公式プラットフォームに使用感が近づきます。

少し費用は掛かりますが、SLDS(セルデス)プラットフォーム用ジョイントラバーチップマットのような分厚いラバーチップマットであれば衝撃吸収性が高くある程度負荷も分散させられる為、それ一枚で済ませる事もできます。
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【店長が実際に賃貸マンションでホームジムを作った際の写真】

※部屋の広さ
六畳
※住宅の構造
鉄筋コンクリート造
※床の構造
二重床
※器具
(ラック&ベンチ)パワーラインコンボラック
(オリンピックシャフト)ELEIKOパワーリフティングバー
(プレート)IVANKOイージーグリッププレート
(ジョイントクッション、コンパネ、ラバーマット)ホームセンターやネット通販で購入

トレーニング機材の総重量約400kg


六畳間
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まずはジョイントクッションを敷きます
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コンパネを設置、この状態でもトレーニングは可能ですが、滑り止めや消音の面からこの上に更にゴムマットを敷く事をオススメします。
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コンパネの上にゴムマットを設置
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完成
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このホームジムで5年3ヶ月、本格的なパワーリフティングトレーニング(高重量でのスクワット、ベンチプレス)を行いました。


【ホームジム製作時の注意点】

※床のダメージ
賃貸物件で床に大きなダメージがあった場合、退去時大家や不動産業者より多額の損害賠償金を請求される可能性も考えられます。
私の作ったホームジムでは5年3ヶ月の使用により二重床のフローリング材に僅かな沈み込みが発生しましたが、器具の撤去後は自然に戻り、退去時も問題になる事はありませんでした。

※騒音
住宅の一室にホームジムを作る時は、騒音や振動の対策が重要になります。
私の場合は、バーベルをゆっくり戻す、バーベルの接触する部分にゴムやウレタンを貼るといった騒音対策を行っていた事もあり、近所から苦情が来る事はありませんでした。

※デッドリフト
デッドリフトは騒音や振動を完全に抑えるのが難しく、限界近い重量になればバーベルの落下といった危険性がある為、私はこのホームジムではデッドリフトを行っていませんでした。
住宅の一室、それも集合住宅に作ったホームジムでデッドリフトを全力で行うのはやはり難しいと感じます。

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